受け売り知識の心理作用で、他人に自分の意見のように話す人は周囲にいませんか。受け売りとは、他人の考えやテレビ、メディアなどで得たことを、さも自分の考えのように話すこと。
このタイプの人は、深層心理にあることが関係しているといわれています。自分の意見がない人に接するのは、場合によっては難しく、人間関係がぎくしゃくすることがありますよね。
そこで今回は、受け売りする人の心理や対処方法について、詳しくご説明していきましょう。
他人の受け売りをする心理とは?
本に書いてあったことを、さも自分の意見のように他人に話す人。「どこかで聞いたことがあるな」と思うようなコメントもたまにあるでしょう。このような受け売り知識は、心理的に次のような理由があります。
共感力が強い
受け売りする人は、心理的に他人の気持ちや考え方に納得しやすく、共感力があることが特徴です。他人の言葉を自分の言葉のように受け入れ、立場を変えて納得できる人。
考え方や気持ちをその通りに感じられるため、対人コミュニケーションではとてもメリットを発揮できる人です。受け売り知識は、外から得た情報を自分のものとして同化させているので、共感力がある人は「受け売り」とは自覚していないでしょう。
他者からはとても信頼できる人だと思われていますので、満足してもらうためにもっと受け売り知識を獲得するようになります。
承認欲求があるため
受け売りする人は、心理的に自分をよく見られたい願望が強いため、有利になることは積極的に取り入れています。承認欲求が強い人は、他人のアイデアも平気で使い、さも自分のアイデアのようにアピールしているでしょう。
頑張っても認められない経験が重なっているせいか、多少のズルは仕方ないと自分で納得しています。受け売り知識で自分が評価されるとさらにエスカレートして、本来の自分を失ってしまう可能性もあるので注意が必要です。
自分に自信がない
受け売り知識に頼る心理は、自分に自信がないからで、認めてもらいたい気持ちがジレンマになっています。世間的によいといわれるものを好み、自分の考えや価値観を表に出さない人。
人生においても無難な選択をしていますので、自分が先頭をきって誰もやったことがないことに挑戦することはありません。自信がない人は、他人の意見を正確に認識していない例も多いので、結果的に信頼した人に裏切られるケースも。そのたびに一般論に頼り、自分の考えに不安を抱きます。
考えるのが面倒くさい
受け売りする人は、心理的に頭を使いたくない願望が強く、面倒な場面は他人任せにしています。「この小説、読んだことある?」と友人に質問され、どう答えればよいかわからない場面。
読んだことがない小説なので、本当なら答えがない瞬間ですが、「最後のどんでん返しが面白いよ」と受け売りの考えを言ってしまいます。
自分で考えるのが面倒なので、このタイプは興味のないことはあからさまに他人にもわかるはず。「どうでもいいよ」「勝手に決めていいよ」など、やる気のなさを感じる場面もあるでしょう。
情報をたくさん持っている
受け売りの心理は、自分が物知りで周囲から頼られたい願望も土台にあります。わからないことはスマホですぐにリサーチ。他人の会話で「あのお店の料理は美味しいのかな」などというコメントを聞くと、すぐに調べて「かなり美味しいよ」とさも実際に行ったかのように話します。
リサーチ力があるので、どのようなジャンルの会話にもついていきますが、深読みする人なら何か物足りなさを感じ取るかもしれません。何を聞いても必ず答えがある人は、本当に知っているのかと疑問を抱きたくなりますよね。
観察力がある
受け売りする人は、心理的に自分がいる環境を冷静に判断して、周囲を観察しています。周りを理解しないと不安になるタイプなので、必然的にあらゆる情報を入手。
いいなと思ったことや、嫌だなと感じることを瞬時に察知して、自分の新しいデータに組み込んでいます。受け売りしたくても観察力がない人は、他人に提供する情報がないのと同じ。
その点受け売りにはあまりよい印象を持てませんが、観察力を身につけるチャンスにはなるかもしれません。
相手のことが好き
受け売りする心理は、実は恋愛感情が関係しているとは知らない人も多いでしょう。憧れる人のやることや考えることは、自分と同一視したくなる心理があります。
たとえば気になる女性の好きな食べ物は、自分も好きになりたいと感じますよね。共通点を多く持つことで、憧れの相手とつながった気持ちになれるため、受け売りする対象になるのです。
嫌いな人の持ち物を真似したくないように、受け売りしたくなる人はもっと仲良くなりたい気持ちの表れでしょう。
プライドが高い
受け売りする人は「知らない」「わからない」と否定する行為がプライドを傷つけるため、外から得た情報を自分の考えとして伝えたがります。
知らないことが恥だと思う傾向にあり、周りの人は全員ライバル。絶対に負けたくないので、どのような手段を使ってでも自分の知識を豊富にしておきたいのでしょう。
プライドが高い人は他人に質問することで、相手が上の立場になるのを避けることが特徴。それなら受け売りでもいいので、自分が優位に立ちたいのでしょう。
受け売りする人との付き合い方
受け売りする人は、メリットもデメリットもありますので、心理背景を考慮しながら楽しく付き合うコツをマスターしてくださいね。
突っ込んだ質問をしてみる
受け売りしているなと思った時は、突っ込んだ質問をして相手の理解度をチェックしてみましょう。受け売りする人は、周りが自分の話を信じて聞いてくれると自信を持っているため、逆質問されると急にうろたえてしまいます。
「その話、ツイッターで見たけど」と具体的な部分に触れると、やんわり話を逸らすかもしれません。受け売りする人をやり込めるように、あの人は手ごわいと思わせるコミュニケーションを意識してください。
聞き流す
受け売りする人は、自分のコミュニケーションスタイルとして定着しているので、簡単には自覚できないでしょう。毎回相手の落とし穴を見つけるように会話するのはストレスになるので、そんな時はあっさり話を聞き流しておくことも方法です。
受け売りしたがる人は、相手が納得した様子を見せればそれで満足。逆に反感を持って対処すると、もっと他人の意見を使って終わりのないやりとりになるかもしれません。
他の人を交えて会話する
受け売りする人は、特定の相手をライバル意識していることもありますので、もし自分がその対象になっている場合は、第三者を交えて交流してみましょう。
知識豊富な人がいると、自分の受け売り知識がバレるため、積極的に会話に参加しないかもしれません。得意になって話す人は、自分が優位になれる相手だけにそんな態度でアプローチしてきます。
わかりやすく説明してもらう
どこかで聞いたような話、テレビで話題になっていた話など、受け売りの可能性がある場合は、もっと丁寧にわかりやすく説明してもらいましょう。
外から得た考え方でも、聞き手にとってはメリットになるかもしれませんので、興味が湧く発言があったらどんどん質問してみること。受け入り知識が毎回活躍しないことをそれとなく教え、間違いでも自分の考え方を持つように誘導してみましょう。
まとめ
受け売りする心理背景は、他人の意見や視線を気にする部分があるでしょう。情報があちこちで交差する時代なので、どれを自分の糧にするか、慎重に判断することが大切なのです。
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