前にも言ったよねと言う人は、心理的に何を相手に伝えたいのでしょうか。職場の先輩に叱られる時に「これ、今日までにやっておいてと前にも言ったよね」と言われるなど、とても嫌味な印象がある表現です。
そこで今回は、前にも言ったよねと言う人の心理背景にあることと、不快に感じる理由についてご紹介していきましょう。
前にも言ったよねと言う人の心理状況について
前にも言ったよねと言う人は、次のような心理状況があることが考えられます。表面上ではわからない相手の真意について見ていきましょう。
人付き合いが苦手
「前にも言ったよね」が口癖になる人は、心理的に人付き合いに対する苦手意識があり、上手に自分の考えを相手に伝えられない状態です。前にも言ったよねという一言はほとんどの場合は不要であり、言わなくてもきちんと用件が伝わるシチュエーションのはず。
「この箇所、前にも言ったよね。きちんと直しておいて」となり、余計な一言という印象が残ります。決して悪い人ではありませんが、自分の思い通りにコミュニケーションがとれないことが多く、とっつきにくいタイプに見えるでしょう。
苦手意識をカバーするつもりで一言付け加えているのですが、最終的にはそれがさらに印象を悪くする原因になってしまいます。
主観的な目線になっている
前にも言ったよねと言う心理は自分のことしか考えていないためで、相手がどのような気持ちになるか想像する思考の癖がありません。そのため言いたいことをそのまま言葉にしてしまい、相手が嫌な気持ちになる繰り返しに。
そんな人が職場の上司だと、毎日不満が募るのは仕方ないでしょう。前にも言ったよねと言いたくなる状況は、一度伝えたことをこなさず同じミスをしたり、言われたことを忘れていたりする人に対しての言動。
誰しも理解力や記憶力のレベルには違いがありますので、相手の視点になるよう心がけると嫌味な言い方はしなくなるはずです。
ネガティブ思考だから
前にも言ったよねと言うのは心理的にネガティブ思考のためで、物ごとを悪く解釈する傾向が強くなっています。言われたことを忘れてしまう人に対してわざとやっているのだと思ったり、嘘をついていると感じたりする考え方の持ち主。
人をすぐに信頼せず、かなり距離を置いて付き合うのでとても冷たい印象を抱くこともあるでしょう。仕事上の関係なら「一回説明すれば、すぐにできることなんだから…」と嫌味を言われてしまうかもしれません。
ストレスが溜まっている
前にも言ったよねと言う人は、心理的にイライラしてストレスが溜まっている状態。普段はそんなことは言わない人なのですが、たまたま虫の居所が悪く嫌な言い方をしたり強い態度になったりする場合があります。
いつもは怒ったり感情的になったりしない人でも、タイミングによっては後悔するような態度をとってしまう場合があり、それ以来相手とぎくしゃくすることも。ストレスが溜まっている人は他人をはけ口にせず、自分でできる解決策を見つけることが大切です。
人の嫌味が不快に感じる理由
前にも言ったよねと言う心理には、嫌味を言いたい思いも関係しているかもしれません。では人の嫌味はなぜ心に突き刺さるのか、不快に感じる理由をご解説しましょう。
下に見られているように感じる
余計なことを言わず、重要なことだけを説明されれば済む場面でも、前にも言ったよねというような一言がつくだけでとても気分が悪くなります。嫌味っぽいことはなぜ辛く聞こえるのか、その理由のひとつとして下に見られている気分になることが挙げられます。
一度言ったことを記憶できない、前に話したことを理解していないなど、自分の能力やスキルに対してダメ出しされているような気持ちになりますよね。前にも言ったよねというのは確認する目的もあるのかもしれませんが、立場を誇示する態度のようで、返す言葉もなくなってしまいます。
マウントをとられているようで嫌
前にも言ったよねという嫌味はマウントをとられた気分になり、相手に強制的に劣等感を与えられる思いです。できない自分がとても嫌になり、相手よりも劣っていると感じる瞬間。
普段自信を持っている人なら、他人の一言でかなり落ち込む可能性があります。マウントをとる人は優越感を得ることが目的で、相手の弱みにつけ込むのが得意。自分よりも立場が下の人には強気で接してきますが、自分以上の相手には一切嫌味を言うことはありません。
嫌われている不安を抱く
「前に伝えたこと、覚えていないのか?」と強い態度でアプローチされると、自分が相手にとても嫌われているのではないかと錯覚を起こします。嫌いな人には無意識のうちに言葉が厳しくなったり、態度が冷たくなったりしてしまうもの。
どうしてそんな言い方をするのか納得できない相手は、自分のことが嫌だからだと納得せざるを得ないでしょう。このようなことが繰り返し続くと自己否定するようになり、周りの人が自分の敵に見えてしまうかもしれません。
嫌味な人と付き合うコツについて
自分が頑張っても、世の中には嫌味なことを言って悔しい思いをさせてくる人がいますよね。そんなタイプとどうしても付き合わなければいけない場合は、上手くいくポイントを掴み接してみましょう。
聞き流してしまう
不快な思いをさせることが目的の人も少なくなく、黙ってしまう態度や困惑した態度を見せると相手は満足します。そうならないためにも心ない一言を言われたら、聞こえなかったふりをするのもおすすめ。
とくに嫌味は聞こえよがしに言ってくることが多いので、完全にスルーしてその場を離れることもいいかもしれません。ただし仕事上、相手の話をきちんと聞かなければいけない場合もありますよね。
このような時は「すみませんでした」と謝ることはせず、「わかりました」と簡単に片づけてしまうとよいでしょう。
変わった人だと理解する
不快な言葉を平気で言ってくる人は、自分の言動に気づくことがなく、指摘したりアドバイスしてくれたりする人もいないということ。変わった人で、誰も相手にしない人だから話し方を知らないのだと思えば、自分の心に支障をきたすことは避けられます。
どうしてそんな言い方をするのだろう…と悩むからこそ負担になるので、そんな人なのだと思ってしまえば悩むことはもう不要に。嫌味を嫌味だと理解していない変わり者としてこれからは見ていきましょう。
理解できない他人の行動は、自己流に納得してしまうのが一番手っ取り早い対処方法になるはず。世の中には色々な人がいるのだと考え、自分のせいではなく相手が変わっているだけだと解釈してみてください。
あっさり謝って終わりにする
「前にも説明したけど…」「何度か伝えたけど…」と明らかに嫌味を言ってくる人には、「すみませんでした」「私が忘れていました」とあっさり謝って終わりにすることも方法です。
一番損するのは、相手の意図を理解しようと頭を悩めてしまうこと。心の負担になり考える時間はとてももったいないものかもしれません。本気でなくても謝ってしまえば満足して去っていく可能性がありますので、今後どう思われるかなども考えずにその場だけを乗り越えましょう。
まとめ
前にも言ったよねと言う人は心理的に自己顕示欲が強く、自信のない自分を隠しているのだと思われます。誰でもミスはあるものの、ダメ出しされないよう用心深く暮らすことも嫌味を言われないために大切なので、これからは少し意識してみるといいかもしれません。
前にも言ったよねと言われたら「そうでしたっけ?」と軽く受け流せるようになってみましょう。
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