論破したがる人の心理は理解できますか。最近よく聞かれるようになった「論破」という言葉。議論して相手に勝つという意味がありますが、世の中にはどのような場面でも自分の意見を相手に押しつける人がいますよね。
論破するのがネット上でも話題になる今の時代、そんな人の心理背景について詳しくご解説していきましょう。論破には意味がないという意見もありますので、メリットとデメリットを知っておくと安心かもしれません。
論破したがる人の心理とは?
論破して相手に勝った!など、持論が正しいと認められる瞬間は気分がよくなるでしょう。何かにつけて論破したがる人は、どのような心理が隠されているのでしょうか。
優越感に浸りたい
論破とは、人と討論して勝つようなもの。論破する人の心理的特徴は、優越感に浸りたいためです。誰でも勝負で負けるより、勝ちたいと思うのは当然ですよね。
勝利者は負けた人よりも有利な立場になり、多くの人から評価が得られるかもしれません。論破したがる心理は自己満足や優越感のためで、相手がどういった気持ちになっているか一切考えることはないでしょう。
たとえばビジネスの場合、自分が得意先と口論になり、論破してなんとか契約できたとしましょう。相手の負けは自分を強く見せるための手段で、他の人がどう思うか関係なく、優越感に浸り満足しています。
コミュニケーションが苦手
論破したがる人の心理は、コミュニケーションが苦手なためです。他人と意見が対立する場面はよくあり、そんな場面をどう切り抜けるか、会話力やお互いの価値観、理解力などが必要です。
場合によっては対立するほど、正直な意見を言うべき時もありますが、論破したがる人は一方通行のコミュニケーションしかできない特徴があります。
相手の意見を聞くというのは、心の余裕がないとできないもの。意見が対立した時に上手く対処できず、攻撃的な態度になってしまうのです。
自分にチャレンジしたい
論破するのは女性よりも男性が多いのは、自分の知識やスキルを試したいためです。人の願望はさまざま。物質的なことだけでなく、知識も欲のひとつです。
社会で成功するためには、あらゆる情報や知識は必要不可欠。そのため論破したがる人は、自分の市場価値を知るためについやってしまうのかもしれません。
論破したいのか、ただ知っていることをひけらかしたいのか、目的がよく見えず話の決着がつかない場合もあります。
気が小さい
論破する人の心理的特徴は、強い態度とは反対に、実は心が繊細で気が小さいと考えられます。強気なイメージを与える論破したがる人ですが、自分の弱さを隠すために周囲には強い態度をアピールしているのです。
あらゆる経験を積み、もっと精神的に強くなりたい願望の表れかもしれません。気が小さい人は、何かと自分が損する場面が多い気がしてなりません。
強い人のほうが得だと思っているので、普通に話し合いができる場面でもついヒートアップしてしまいます。
認められたい
自己満足度が足りない人は、周囲から評価されないと不安になります。論破したい心理はもっと認められたいためで、会社の同僚や友人、会社や恋人など誰でもよいので自分の存在感をはっきりと認識したいのでしょう。
論破の相手が負けを認める瞬間、自分が正しかったと満足します。それは次第と自己評価にもつながり、上手く続ければ自信回復にもなるでしょう。
しかし論破したがる人は、世間からあまりよい印象を受けないため、自分の欲を満たすだけで相手を攻撃するのは避けなければなりません。
負けず嫌い
性格的に負けず嫌いな人は、基本的に論破したがる人になります。どのような場面でも自分が勝ちたい欲があるので、さりげない会話でも自分のほうが知識は豊富だ、話し方が上手だなど、勝ち負けをつけないと気が済まないのです。
論破するのは自分の意見に、他人の価値観や意見を受け入れないこと。負けず嫌いが負けた場合、そこから得るものは何もないでしょう。
しかし勝ち続けていては人生の価値が見えず、無意味な勝利ばかり手に入れてしまうことに。自分さえよければそれでよいと思うと、幸福度も減ってしまいます。
論破するメリットとデメリット
論破することで得られるものや、逆に失うものもあります。自分の意見が正しいと認められるのはとても嬉しいのですが、大切なのはその結果に至るまでの流れ。
無理やり相手をねじ伏せるような態度では、論破しても意味がありませんよね。では論破するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
自分の間違いを知るメリット
論破したがる人は、自分が絶対に正しいと自信を持っているため、強い態度で相手に意見を押しつけていきます。たとえば健康法。
毎日早起きすると健康になると信じているとしましょう。しかし世の中には、早起きが身体に負担になる人もいます。「正しい」と思っていることは自分の価値観によるもので、他人の意見を知ると自分が間違っていることを発見できる場合も。
論破は自分の正当性を認識するだけでなく、逆に違う視点から物ごとを見るチャンスを与えてくれるメリットがあります。
達成感が味わえるメリット
論破して自分が勝つと、達成感が残るのは自然なことですよね。どのような場面も勝負ごとで勝てば心地よく、次の戦いが楽しみになります。
論破するメリットは、相手を負かして得られる満足度。偶然に手に入れるものでなく、自分の努力で得る結果なので、とても価値のあるものに感じるでしょう。
論破して残る自分の考えや価値観は、影響力を持ち周囲の人の心を動かす場合もあるかもしれません。そんな喜びが得られるのは、論破するメリットだといえるでしょう。
付き合いが面倒になる
論破したがる人は、頑固で他人の意見を聞きたがりません。たとえそれが自分にとって有利な情報であっても、柔軟な考え方ができないので受け入れないのです。
そんなタイプの人は、周囲が面倒に感じる存在。何かにつけて口論になり、持論を押しつけてくるので人付き合いも変わってくるでしょう。
論破する人に相談ごとをしても、結果的に相手の価値観で振り回されてしまうだけ。その人の立場になり物ごとが見えない性格だと、人間関係を築くのは難しいでしょう。
冷静なコミュニケーションができない
論破したがる人同士の会話は感情的になり、冷静な判断ができないまま力で抑え込んでしまうケースがあります。大切な議題がある場合はもっと冷静になり、論破でなく討論が必要です。
論破するデメリットは、冷静に物ごとが考えられないため、後悔することが増えてしまいます。カップルのケンカのように一時的な感情で発言するので、お互いに傷つけ合う場合もあるかもしれません。
負けたくないという自分の価値観で、冷静な判断ができずさらなる失敗を招いてしまいます。
相手を動かすことはできない
論破してたとえ自分が勝利しても、必ず相手を動かせるとは限りません。たとえば仕事のプロジェクト。自分の案と他の人の案で言い合いになり、強引に自分の案で決着をつけたとしましょう。
論破する人はこの結果が何よりも重要で、その先をあまり考えていません。論破された相手は負けを認めても、必ず同調しているとは限らないのです。
言い方が気に入らない、態度が強引だとネガティブな印象を残したまま、ずっと相手とは距離を残し同じゴールに向かうことはできません。
まとめ
論破する人とは心理背景を考えて、上手く付き合うことが大切です。相手の立場になり冷静なコミュニケーションをするのが、どのような場合でも重要かもしれません。
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