理不尽なクレームをつける人の心理は、理解できない部分も多くあるかもしれませんが、冷静に考えると相手の行動には意味がある場合も。接客など、人と接する仕事をしたことがある人だけでなく、友人や恋人からのクレームなども対処が難しく感じることがありますよね。
そこで今回は、接し方が大変な理不尽なクレームの心理背景を理解して、上手に対処するコツをご紹介していきましょう。
理不尽なクレームをつける心理について
多少の苦情や文句ならまだいいものの、全く意味がわからない理不尽なクレームをつける人がいますが、心理的には次のようなことが考えられます。
思い込みが強い
「セール品なので返品はできません」と言っているのに「満足できないからお金を返せ」など、マナーのない理不尽なクレームをつけるのは、心理的に思い込みが強いことが関係しています。
自分が絶対に正しいと有利であることを信じ、それを相手に納得させることが目的。クレームをつけて本来のサービスを受けるよりも、相手に間違いを認めさせることで納得するタイプです。
思い込みが強いため、何度説明されても話は平行線で堂々巡りに。お互いにイライラしながら問題の核心部分に触れようとしますが、いつまで経っても解決しない厄介なタイプです。
毎日とても不満が多い
理不尽なクレームをつける心理は、日常生活がストレスばかりのため。うっぷんを晴らすために、店員とお客という上下関係を使って、自分の立場が強い場面でストレスを発散しているのです。
お店のくじ引きで当たらなかったので文句を言ってくる客、恋人と喧嘩した直後にコンビニに行き、欲しかった商品がないことに腹を立てるなど。個人的な理由で他人を攻撃してくるのは、とてもネガティブな状態なのだと周囲も察知できるでしょう。
力関係にこだわる
理不尽なクレームをつける心理は、自分のほうが偉いと力関係にこだわるタイプです。客と店員には明らかに上下関係があり、客は大切に扱われるべき立場と思う人も。
そんな有利なシチュエーションになると、あからさまに強い態度になり、自分のわがままが通らないと不機嫌になるのです。このタイプのクレーマーは、弱いものいじめするのが得意。
自分よりも立場が弱い人をすぐ攻撃しますが、強い相手には手が出せず逆にご機嫌をとっています。
正義感が強い
理不尽なクレームの心理は正義感が強いためで、周囲からは面倒なクレーマーだと思われているのですが、自分では正しいことを言っていると信じています。
正義感が強い人は、マナーや常識を武器にして正当性を強くアピール。「本当ならこうすべきでしょう」など、善悪をきちんと指摘するので返す言葉も見つかりません。
正義感が強い人は、ルールから外れたことは全てはねのけ、目の前の状況にしか集中していない傾向があります。公共の場では大声で話す人に注意したり、質と量が合わない商品に文句を言ったり、とても頭の固い人に見られているかもしれません。
よかれと思ってやっている
理不尽なクレーマーの中には、相手を苦しめているとは思わず、相手のためにやっていると勘違いしているタチの悪いタイプもいます。たとえば接客業の経験者で、クレーマーの対応でとても苦労したことがある人。
「経験したおかげで身についたのだから…」と言わんばかりに教えてあげているつもりなのです。強い態度で最初はアプローチしてきますが、最後には「こんな時はこうしたら上手く収まるよ」と面倒見のいいことを言ってくることもあるでしょう。
利益を得たい
理不尽なクレームをつける心理は、相手の立場を使って自分が利益を得たいため。たとえばレストランの食事で体調を崩したなど、虚偽のクレームをつけてお金をもらおうとするケースもあるでしょう。
利益とは物やお金だけに限らず、友人の態度に文句を言って機嫌をとってもらうこともあります。このような利益目的のクレーマーは、かなりエスカレートすることもありますので、専門家のサポートが必要になる場合もあるでしょう。
クレーマーを怒らせるNG行為
理不尽なクレームをつける人は、少し間違った対処をするとさらに怒りをアピールしてくる可能性が高いので、できるだけ避けたい行為についてご説明します。
怒っている人は、お客さんも友人も恋人も同じこと。相手の心境を理解するとよい方法が見つかるはずです。
完全否定
クレームをつけられても「こちらのせいではありません」「そんなことはやっていない」と完全否定すると、さらにクレーマーはエスカレートするでしょう。
クレームをつけてくる人の言っていることを疑い「本当にそんなことがあったのですか?」と完全否定するのはNGです。いきなり否定的な態度をとられると、さらにネガティブな感情を引き寄せますので、なるべく肯定的な姿勢を意識しておきましょう。
きちんと最後まで聞かない
「その話はもうわかりました」「今忙しいのでお待ちください」など、クレーマーの話を遮ってしまうのはやってはいけない行為です。たとえ理不尽なクレームだとしても、相手の立場を考えて一通りきちんと相手の言い分は聞くことが大切です。
理不尽なことを言う人には反論したい部分も色々とありますが、全て相手に吐き出させてから自分の意見を言ったほうが、相手も冷静に聞いてくれるかもしれません。
謝罪する前に他の人に任せる
店員と客の場合のように、クレームをバイト店員に言ったら上司が出てきて話にならず、次はエリアマネージャーが出てくることもあるでしょう。最後には解決できず「本社から担当者がご連絡いたします」と、何の進歩もない状態では不満は解消されません。
自分の立場が上のはずなのに、たらい回しにされるのは不愉快なことですよね。とくに理不尽なクレーマーならさらに大きな態度になり「今すぐ謝れ」とヒートアップすることも。
まず謝ることが最優先で、次はどのような解決策があるかすぐ提示したほうが納得しやすくなるでしょう。
困った時の対処策はコレ!
文句を言い続ける人の対処はとてもストレスで、自分も怒りが込み上げてしまうかもしれません。口論にならないよう、そんな時は次の方法で平和に対処してみてください。
複数人数で対処する
一対一だとただの言い合いになる可能性がありますし、個人的な価値観のずれがさらに状況を悪化させることにも。迷惑な人の対処はできるだけ複数人数で行うと、一般論が相手にも通じやすくなります。
悪質な人だと、文句を言えない大人しそうな人をターゲットにして苦情を言うこともありますので、一人で悩まずに他の人にもその場にいてもらうことが大切。職場なら上司にすぐ来てもらうと安心です。
気持ちを理解してあげる
とても理不尽だったとしても、クレームを言われる要因は何かしらあったと考えたほうが無難でしょう。反論して相手をなだめるよりも、まずは心情を理解して気持ちを静めることがコツです。
クレームのシチュエーションは第一印象が肝心なので、丁寧な姿勢できちんと話を聞き相手を敬う態度を心がけておきましょう。解決は迅速に、すぐ対処してもらうと特別感があり、クレーマーも満足するはず。
納得してもらうためにも、物質的なことではなく心情的なフォローが必要ですね。
まとめ
理不尽なクレームをつける心理は、きっと心に余裕がない人だからなのでしょう。もちろん正当な理由で文句を言いたくなる場面もありますが、自分がどちらの立場になるかわかりませんが、まずは相手の気持ちを理解してあげる心の余裕が大事です。
クレームを言われて困った時は、一人で無理に対処することなく、上司や先輩を頼ることも必要でしょう。少しずつ力をつけてクレーマーをなだめられるようになると、自分に自信もつくかもしれません。
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