親と同じ職業に就きたいと思う心理ですが、家族なので築いたものを大切にしたいと考えるのは自然な気持ちですよね。
しかしあえて親と同じ職業ではなく、違うことをしたがる人もいるでしょう。有名企業の経営者が、代々家族で引き継がれている場合がよくありますが、なんでも言い合える家族同士ならビジネスは上手くいきそうな気もします。
でも同じ道を選ぶのはメリットだけでなく、実はデメリットもあるのです。そこで親と同じ職業に就きたい心理について、また同じ道を選ぶメリットとデメリットをご紹介しましょう。
親と同じ職業に就きたい心理はなぜか?
親と同じ職業に就きたい心理について、どのような意味があるのかについていくつかのものをお伝えしていきましょう。
苦労したくない
親と同じ職業に就きたい心理になるのは、自分の力で起業したり新しいことを始めたりして、失敗の苦労をするのが嫌なためです。
たとえば親が社長の場合、すでに会社経営が順調に進み、後は自分が親のやっている仕事を真似するだけ。そんな簡単な発想で、親と同じ職業に就きたい心理になる人もいるでしょう。
社会に出ると学生時代にはなかった、あらゆる経験を積むことになります。知らない人とのつながり、そして失敗や成功を繰り返して、人間は成長していきます。
その過程では苦労もありますので、安心な道を選びたい人は親の職業を選ぶかもしれません。
甘やかされて育った
甘やかされて育った人は、なんでも親の言う通りになり自分の意思がアピールできません。親がすでに経験を積み重ねた職業なら、よい面も悪い面もわかっています。
甘やかされた育った人は、親も子離れしていない傾向があるでしょう。できるだけ安定した人生を送らせるため、親から跡を継ぐように提案してくるケースもあります。
我慢することが苦手で、やりたい放題の甘えん坊タイプ。社会に出ると、色々な辛い場面が待ち構えています。
それなら親と同じ職業に就けば、的確なアドバイスやサポートがありますので、世間の波に揉まれず安心でしょう。
想像力に欠けている
親と同じ職業に就きたい心理は、想像力に欠けているのが原因かもしれません。たとえば親が、建築関連の仕事をしていたとしましょう。
自分が子供の頃から親の職業の話を聞かされ、その世界しか知らずに育つと、新しいことを始めるクリエティブな精神が育ちません。
「いつかは親と同じ職業に就くんだ」と考えを決めていると、他の職業の魅力を知るチャンスはないでしょう。想像力に欠けている人は、人生の楽しみや可能性が少なくなってしまいます。
家族愛がある
親と同じ職業に就きたい心理は、家族を大切にする気持ちがあるためです。長く家族会社として続く場合は、自分の代で終わらせたくないと強い責任感が湧くでしょう。
家族愛が土台にあると、なんとしてでも次の代まで続けようと、自分も親と同じく頑張りたくなります。
働くのは収入を得るために大切ですが、親と同じ職業に就きたい心理は、決して経済的な理由だけではありません。家族のプライドや信頼感など、大切にしたいものがたくさんあるのです。
親孝行したい
親の立場から考えると、自分が苦労して始めた仕事や職業などは、ぜひ子供にも継がせたい気持ちがあるでしょう。
親孝行したい人なら同じ道を選び、親の喜ぶ顔が見たいと思うもの。親の仕事は、小さい頃から見ながら育っています。
魅力をわかっていなくても、頑張る親の姿はいつまでも印象として残るはずです。今まで自分を育ててくれた親に対して、苦労を感謝の気持ちでお返ししたい心理があるのでしょう。
親の職業に興味がある
親と同じ職業に就きたい心理は、素直にその職業が好きなためです。親の職業は子供に与える影響力が高く、必然的に興味を持ってしまいますよね。
親子共に政治家や芸能人、警察官やレストラン経営など。子供の頃から見ていると、大人になったらやってみたいと考えるでしょう。
将来の道を決めるのは自分次第ですが、親の仕事はアイデアのひとつになります。家族のやっている仕事は興味を持ちやすくなるので、自然と同じ道に進む人も多いでしょう。
親と同じ道に進むメリットとデメリット
親と同じ道に進むのは、知識や情報が多いので何かと安心できそうですが、メリットとデメリットを理解して判断するのも大切です。
仕事内容がよくわかっているメリット
親と同じ道を選択するのは、仕事内容がわかっているので精神的に安心。困った時に親に相談すれば、失敗のリスクを回避できます。
とくに会社を継ぐ場合は、すでに自分の席が用意されてあります。就活して仕事を見つける手間もありませんし、会社の人と仲良くならなければならない負担もありません。
仕事のよい面と悪い面をすでに親が経験しているため、自分に降りかかるストレスは少なくなるメリットがあります。
人脈を作る必要がないメリット
社会人として、人脈はとても大切。知らない会社や職業に就くと、いちからスタートしなければなりません。
しかし親と同じ職業に就くと、すでに親が築いてきた人脈がありますので、かなり楽に仕事がスタートできます。
性格が大人しい人なら、親が揃えてくれた環境になじんだほうが、ストレスが少ないですよね。知らない人と仕事を通じて信頼関係を構築するのは大変ですが、先代から引き継いだ場合は、すでに会社の人も自分を知っている可能性があります。
自分の子供にも引き継げるメリット
親と同じ道を進むメリットは、自分だけでなくさらに次の代まで引き継げるのがメリットです。新しいことを始めて失敗するリスクが少ないので、大切な子供に苦労をさせず社会に出てもらえます。
親族や兄弟などの自分を取り囲む家族は、何よりも一番優先する存在。親と同じ職業に就くと、将来につながる道を作ることになりますね。
プレッシャーがかかるデメリット
親と同じ職業に就きたい心理は、デメリットも考えなければなりません。たとえば家族企業のように代々続いている場合は、自分の代で会社をダメにしてしまわないよう、多くの責任やプレッシャーがかかります。
このようなリスクを抱えるには、家族の理解が何よりも大切。違う会社から親の経営する企業に転職する場合などは、全く違ったストレスがあります。失敗したからといって、簡単に廃業する決断もできないでしょう。
周囲から焼きもちを焼かれるデメリット
親と同じ職業に就いてしまうのは、苦労しながら生活している人にとって敵のような存在。友人から嫉妬されたり、今まで仲のよかった人と距離感が出たりする場合もあるでしょう。
跡を継いだ会社なら、社員からも冷たい視線を送られる可能性があります。「甘やかされて育った」「世の中を知らない跡継ぎ」など、よい印象を抱かない人も存在します。
跡継ぎ不足の現実について
現在日本の企業数が減少傾向にあるといわれていますが、その理由のひとつが跡継ぎ問題。継ぐ側と継がせる側には温度差があり、子供が親の仕事を継ぎたくないというケースは増えています。
お互いにとってもリスクを考えると、親の代で廃業する会社もあるでしょう。会社に勤めたほうが気楽だと感じる人も多く、親と同じ職業や家業を継ぐのは、慎重に判断しなければならないことなのです。
高齢化した親からいつ仕事を引き継ぐか、タイミングを掴むことも難しい点ですね。
まとめ
親と同じ職業に就きたい心理は、親を大切に思う気持ちが土台にあるでしょう。次の世代に引き継ぐものは、職業だけでなく親の努力や名声など、色々なものがあります。お互いに満足した人生を送るためにも、親子できちんと話し合いたい内容ですね。
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