一人称が定まらない心理はなぜ働くのか?

一人称が定まらない心理はなぜ働くのか?

一人称が定まらないのは、心理的なことが関係しているのでしょうか。自分ではさほど意識していなくても、シチュエーションによって使い分ける人は意外と多いようです。

一人称とは「私」「自分」「俺」「わたくし」など、自称とも呼ばれる自身を指す言葉のこと。そこで今回は、一人称が定まらない人が心理的に抱える理由や、使い分ける人の共通点について詳しくご解説していきますね。


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一人称が定まらない心理的な理由について

一人称が定まらない心理はなぜ働くのか?

友人には「俺」、上司には「僕」など、自分の呼び方が一定しないのは誰でもあることかもしれません。しかし同じ相手なのに一人称が定まらない人は、心理的に次のようなことが考えられます。

 

心が安定していない

一人称が定まらない人は、心理的に心が安定していない可能性があり、悩みごとを抱えている、または不安なことがあり気持ちがよそに向いているのかもしれません。

そのため会話に集中できないので、思いつきで自分の呼び方を変えてしまうのでしょう。心理的なことと言葉使いは密接なつながりがありますので、会話で相手の精神状態をイメージすることは可能。また相手とのやりとりによって心理状態がかき乱されることもあるでしょう。

 

相手と距離を感じている

恋人や親友、家族など、普段から会話する機会が多い人や信頼関係がある相手には、一人称はほぼ定まっていますよね。毎回一人称が定まらないのは、心理的に相手と距離を感じているためなのです。

知り合ったばかりで慣れない関係、または少し苦手に感じる人だと、自分をさらけ出すことが不安なのでその場面に合わせて一人称を変えています。

たとえば男性なら彼女に「俺」と言うことはありますが、初対面の人に自分を「俺は」とはあまり言いませんよね。相手との関係性をまだ把握していない状態は、一人称が定まらないのでしょう。

 

マナーに敏感な人

一人称が定まらないのは、心理的に周囲との付き合い方にとても慎重でマナーを大切にする人だから。目上の人、後輩、友人など、コミュニケーションをとる前に無意識に相手の関係性を考えています。

気楽に話せる人なら「俺」「あたし」と言うかもしれませんが、マナーに敏感な人は他者に不快な思いをさせないよう、常に尊敬した態度を意識しています。

どれほど仲がよくても丁寧に接してくれるので、距離感が縮まらないと感じることもあるかもしれません。

 

コミュニケーションが苦手

コミュニケーションが苦手な人は、自分から話題を提供するのがとても苦痛に感じ、常に会話の中でも受身形になっています。質問されたことはなんとか答えても、そこから次につなげられないタイプ。

そんな人は他人が目の前にいると緊張してしまい、一人称が定まらない心理が働くのです。自分の苦手なところを必死で隠しているため、前回一人称を「私」にしたか、それとも「僕」にしたか覚えていないので、何を使えばいいのか戸惑っています。

 

他人に流されやすい

一人称が定まらないのは、心理的に他人に気を遣いすぎるところがあり、会話の中でも相手に合わせてしまうことがよくあります。相手が「私」と自分を指していれば、同じく「私も」と同調するでしょう。

とても柔軟性が高いことは魅力。しかし自分らしさがないので、相手の印象には残らないかもしれません。

 

状況ごとに使い分ける人の特徴

一人称が定まらない心理はなぜ働くのか?

一人称を相手によって使い分ける人は次のような特徴がありますので、会話の中で気になった時は相手の性格もイメージしてみましょう。

 

プライベートと仕事で分ける

一人称が定まらないのは、その時の心理状態が関係している場合がありますが、意図的に分ける人もいるようです。とくに男性の場合は、仕事上とプライベートで「私は」「俺は」と使い分ける人も多く、社会的な常識を大切にしているという意味がありますね。

決して人によって態度を変えているわけではありませんが、失礼のないよう目上の人にはとても気を遣っている性格かもしれません。

 

格付けしたい

一人称を使い分けるのは格付けしたい気持ちがあるためで、自分が相手にとってどんな位置づけなのか、メッセージとして一人称を変えています。

たとえば尊敬する人には「わたくしは」丁寧な呼び方、友人には気さくに「俺は」と呼ぶようなこと。また後輩や、自分よりも目下の人にはマウントしたい気持ちも混ざり、「俺は」と強い態度でプレッシャーをかけることもあります。

 

心のうちは相手に見せない

一人称を使い分けるのは、他人によく見られたい思いが根底にありますので、基本的には洗いざらいなんでも話すタイプではありません。

信頼関係を築くまでに時間がかかり、相手から歩み寄ってこないと心を開くことはないのです。顔見知りは多いかもしれませんが、友人と呼べる人が少ないことも特徴。他人とコミュニケーションをとる時にストレスを感じやすいところもあるでしょう。

 

人付き合いが上手

一人称をその場によって変えるのは、とても人付き合いが上手なためで、相手が気持ちよく会話できるよう意識してくれる人です。とくに目上の人から可愛がられるタイプ。

他人のご機嫌とりが上手で自然と身についているため、わざとらしさは感じないでしょう。やりすぎると少し媚びを売りすぎてしまう部分もあるので要注意。

上を目指すのが得意ですが、逆に部下や年下との付き合い方がわからない一面も持っています。

 

一人称ごとの性格について

一人称が定まらない心理はなぜ働くのか?

自分の呼び方によってその人の性格や心理状況が見えてきますので、気になる人が会話中に自分をどう呼ぶか、これから少しだけ意識してみてください。

 

自分

自分のことを「自分は」という人はとても控えめな性格で、友人にも目上の人にも丁寧に接するタイプ。よく体育会系の人が「自分」と言うことがよくありますよね。

それは硬派で自分の弱いところを相手に見せないためにやっていること。真面目で一直線であることを知ってもらいたい相手に「自分」を一人称にしています。

 

男性が「僕」を一人称にする場合は、とても甘えん坊な性格であることがわかります。小さい頃から「僕」のまま大人になっている可能性もありますが、成人しても未熟なところが未だに残っているのでしょう。

可愛く無邪気な部分があるので、女性からも好かれるタイプ。優しい印象を与えるので、会話もスムーズになりますね。ごく稀に女性も「僕」と言う人がいますが、この場合は個性的で女性らしさを意識したくないからでしょう。

 

「俺」と自分を呼ぶ時は相手に心を許しているためで、彼女、友人、家族など、身近な存在であることがわかります。逆に職場の上司や初対面の人などは距離があるため、完全に心を開いていない状態なので。俺と言うことは少ないはず。

稀に周囲の人が皆「俺」を一人称にしている場所で、流されて使ってしまうこともあります。

 

「私」はとても柔軟性のある人で、自己主張はあまりしないタイプ。一般常識を大切にしているので、お互い気持ちよくコミュニケーションがとれることを重視しています。

とくに女性に多い一人称。初対面で馴れ馴れしい態度にならないようにしながらも、相手と仲良くなりたいのです。最初は「私」でも徐々に慣れてくると、「あたし」に変わるかもしれません。

 

うち

「うち」は関西で使われる一人称ですが、それ以外の地域で皆が使うからという理由で一人称にしている人がよくいます。男性よりは女性が多く、皆と一緒でないと不安を感じる性格かもしれません。フレンドリーに接したい相手にも「うち」と呼ぶことがあります。

 

まとめ

一人称が定まらないのは、心理的に相手にどう思われるか、深く考えすぎるためなのかもしれません。丁寧にしたいけどもっと親しくなりたい、そんな時は一人称が無意識に変わっていく可能性もありますね。

 

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