損切できないのは心理的なことも関係している場合がありますので、思いきった判断をするべき時は自分の心に向き合ってみるのもよいでしょう。そもそも「損切り」とは投資用語で、価格上昇の見込みがない株をマイナスでも売ってしまうこと。
損失が多くなる前に早めに切って次を考えるという意味の言葉ですが、損切りは人間関係にもありますので、今回は損切りできない人の心理について詳しくご解説していきましょう。
損切りできないのは心理的になぜか?
今切らないと後でもっと損失が大きくなる…というのは、投資をやっている人ならイメージしやすいシチュエーションですよね。しかし対象が株から「人」に変わった場合も、同じような状況になる可能性があります。
付き合いを今やめるべきなのに損切りできないというのは、心理的に次のようなことが考えられるでしょう。
損得勘定で付き合っているから
損切りできないのは、心理的に損得勘定がある相手だと思ってもいいかもしれません。別れてしまうと自分が損する人、たとえばお金持ちの友人やとても美人な恋人など。一緒にいることで自分に何かしらのメリットがある人なので、たとえ自分が辛い立場になっても損切りができない状態です。
人間関係は、本来気持ち同士がつながるべきこと。しかし仕事上や表面上だけの付き合いになると、お互いの得を考えてしまうことはありますよね。損する人なら損切りして次に進むべきなのですが、それ以上に今感じる得のほうが多いのでしょう。
情が湧いているため
損切りできないのは心理的に情が湧いているためで、お互いに苦しくなる関係でも情があるために切り離すことができません。長く交際しているカップルなら喧嘩もあるでしょうし、別れたいと思うほど相手の嫌なところが見える時もあるはずです。
しかし長い付き合いは信頼関係があり、ドキドキする感情がなくても一緒にいるのが楽な相手に。その先で強い愛情から情へ変わり、可哀想で別れられない心境になっていきます。
株も同じく、ずっと保有していたものはたとえ株価が下がり続けても愛着が湧き損切りできないようなこと。今別れないとお互いダメになると思っても、情だけで結びついている状態で、さらに心の負担が増えてしまいます。
期待しているから
損切りできない心理とは将来を期待しているためで、今悪い状態でも必ず好転すると信じているからです。逆に考えると、一緒にいることに価値がある「保有効果」を感じている状態。
きっといいことが起こるはずと信じていると、今自分のそばにいる人を手放すことができません。多少の困難があってもそれが普通なのだと、損切りしない言い訳をしていることもあるでしょう。
離れるプロセスが面倒
損切りできないのは心理的に面倒くさい部分があり、相手にどう伝えるか、いざこざになったらどうするかなど、不安があるためです。たとえば恋人。付き合うまでのプロセスが大変で、やっと両想いになれたケースもあるでしょう。
それまでのことを考えると手放すのは惜しくなり、さらに相手の気持ちを考えたりすることがとても負担になってしまいます。それなら我慢して付き合うか…という心の状況が、損切りできないことにつながるのでしょう。
次の目当てがない
投資で損切りするケースは早めに手放し、回収した資金で次の株を買うことも目的のひとつ。損切りはリスクやダメージがありますので、それ以上に期待できることがないと判断できない場合もあるでしょう。
人間も同じく、損切りした後は別の人との出会いがあるなど、モチベーションがないとできないかもしれません。たとえば恋愛相手なら別れても次の候補がいたり、好きな人がいたりしたほうが次に進みやすくなるのはなんとなくイメージできますね。
苦痛に慣れている
損切りできないのは、心理的に現在の苦痛に慣れているから「損」だとは思っていないのです。損している状態はできるだけ回避したいもの。人間はダメージを受け始めた時にとても痛みを感じやすく、ダメージや損が大きくなると徐々に感じ方が変わる場合もあるようです。
そのため付き合うのが負担になる相手でも、次第に自分が鈍感になっていくため、損失を抱えたままの付き合いが続いてしまう結果になります。
人間関係の損切りで得られるメリットは?
損切りできないのは心理的な理由が関係していますので、もし離れたい相手がいる場合は、損切りした時のメリットも意識して行動しましょう。
自己肯定ができる
損切りせず我慢して付き合っていると、上手く付き合えない原因を自分のせいにしてしまうことがあります。その気持ちは次第に自己否定へつながり、人間関係への苦手意識が生まれることもあるのです。
はっきりした態度がとれない自分が嫌になる、相手の態度は自分がそうさせているなど。自分を責めても改善されることはなく、ずっと一人で苦しんでいる人もいるでしょう。
ここで勇気を出して損切りすると自己否定がなくなり、自信を回復できることもあります。
ストレスが減る
無理して付き合う必要がない人と一緒にいると不快な気持ちになり、何をしてもストレスを感じてしまいます。このような人間関係が原因で体の不調を招く可能性もありますので、不快感から解放されることは損切りするメリットになります。
会わなくてもいい人とも会わずに済むという心の解放感は、本来の自分の魅力をもっとアピールできるチャンスです。くよくよ考え暗い表情で過ごすこともなくなり、人生の幸福度が増してくるでしょう。
新たな人間関係が広がる
人間関係の損切りをするメリットは、新たな関係が誕生するきっかけになること。ネガティブなことにはどうしても意識が行きやすく、そんな時は周囲のポジティブなことが見えなくなっている可能性があります。
嫌な人ばかりに集中するのはエネルギーがもったいないもの。思いきって自分から離れてしまえば、心に余裕が生まれ、他の人とも気軽に交流できるようになるでしょう。
株のように損を回避することばかり神経を集中させていると、値上がりが期待できるものを見失うことに。株式市場と同じことが人間関係でも起こる可能性があります。
関係が改善する可能性がある
損切りで人間関係を整理するのはなかなか決断できないかもしれませんが、逆に一旦嫌な人と離れると、その人のよさが見えてくることもあります。いつも一緒だと嫌なところばかり見えてしまうのは当然。
しばらく距離を置いて自分の心を整理すると見方も変わってくるはずですし、相手も同じ思いでもっと上手に気持ちを表現できるようになるでしょう。株の損切りも同じ。
今損切りしても、また同じ株を購入することは可能です。良好な関係を維持するためにも、適度な距離感があったほうがいいのでしょう。
お互いが幸福になる
損切りするメリットは、損失をさらに拡大せず今の状態で終わりにすること。一時的には辛いことですが、将来を考えての行動で損切りするとお互いが幸福になるメリットがあるでしょう。
辛い状況で迷うのは精神的な苦痛になり、いつかその痛みを感じなくなることも。我慢する関係ではなく、自分から率先して相手に会いたくなる関係が理想的なので、損切りは幸福になるためのステップになるはずです。
まとめ
損切りできないのは、心理的に相手への思いや不安などが色々とあるからでしょう。愛情や思いやりのために行動できない場合は、改めて自分の気持ちや心の負担と向き合うことも大切です。
重大な決断に不安はつきものですが、さらに損しないためにも今決めることが何かしらあるのかもしれません。
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